治験コーディネーターとは、病院で行われる治験をサポートする専門職のことです。CRCとも呼ばれます。
治験コーディネーター(CRC)の定義
GCP省令の第二条で、「治験協力者(いわゆる治験コーディネーター/CRCのこと)とは、実施医療機関において、治験責任医師又は治験分担医師の指導の下にこれらの者の治験に係る業務に協力する薬剤師、看護師その他の医療関係者をいう。」と定義されています。
この記事では、治験コーディネーター(CRC)について知りたい方のために、治験とは何か、仕事内容、関わる人たち、働く施設の種類、一日と一週間のスケジュール、なるための方法、年収・キャリア、将来性、良い点・悪い点、よくある質問などを分かりやすくご紹介します。
治験とは何か 仕事内容 関わる人たち 働く施設の種類 一日と一週間 なるための方法 年収 良い点・悪い点 キャリア 将来性 よくある質問
治験とは何か
治験とは、新しい薬の候補物質を人に投与したり、医療機器や再生医療等製品を人に用たりして、その安全性や効果を確認する試験のことです。

詳しくはこちら治験とは?
治験コーディネーター(CRC)の仕事内容
- 1.
- 治験に参加する希望者を募集し、適格性を確認する。
- 2.
- 治験の目的や方法、リスクなどを説明し、同意書に署名してもらう。
- 3.
- 治験実施に関する規則を遵守するように指導する。

詳しくはこちら治験コーディネーター(CRC)の仕事内容とやりがい
治験コーディネーター(CRC)が関わる人たち
治験コーディネーター(CRC)が最も関わる人は、治験分担医師と被験者です。また、製薬会社のCRA(臨床開発モニター)やSMA(治験事務局担当者)、看護師などとも協力しながら、治験を円滑に進めます。

詳しくはこちら治験コーディネーター(CRC)の各関係者との調整
治験コーディネーター(CRC)が働く施設の種類
治験コーディネーター(CRC)が働く施設の種類は、病院が約7割、クリニックが約3割です。
CRCが働く施設の種類
治験コーディネーター(CRC)の一日と一週間
治験コーディネーター(CRC)の一日
- 9:00
~
12:00 - 被験者の対応
- 被験者の診察・検査に同行する。
- 13:00
~
15:00 - 被験者を探す
- カルテを見て治験へ参加できる方を探す。
- 治験の説明を行い、参加の同意を取得する。
- 15:30
~
17:30 - 書類の作成
- 症例報告書・日報を作成する。
治験コーディネーター(CRC)の一週間
| 曜日 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 午前 | 会社の事務所 | 病院B | 病院B | 病院B | クリニックA |
| 午後 | クリニックA | 会社の事務所で会議 | 会社の事務所 |
詳しくはこちら治験コーディネーター(CRC)の一日と一週間
治験コーディネーター(CRC)になるための方法
看護師や臨床検査技師になった後、35歳ぐらいまでにSMOへ転職する方法が最も一般的です。
SMOとは?
治験コーディネーター(CRC)の業務を専門に行っている会社のことです。代表的なSMOとしては、EPLinkやシミックヘルスケア・インスティテュートなどがあります。
CRCの資格の種類
※日本SMO協会データ2024、JCOG CRC活動調査レポート2022のデータを独自に加工して作成
※SMOのCRC3102人と院内CRC603人の資格の調査データを合算
CRCになった年齢
※120名のCRCばんくのクチコミ・アンケート調査データをもとに作成(調査期間:2015年4月~2025年11月、有効回答数:N=120)。
CRCの学歴
※120名のCRCばんくのクチコミ・アンケート調査データをもとに作成(調査期間:2015年4月~2025年11月、有効回答数:N=120)。
詳しくはこちら治験コーディネーター(CRC)になるには
治験コーディネーター(CRC)の年収
治験コーディネーター(CRC)の平均年収は約520.3万円(調査期間:2015年4月~2025年11月、有効回答数:304人)です。以下は、他職種との比較です。
CRCの年収
※CRCは304名、CRAは448名のCRCばんく・CRAばんくのクチコミ・アンケート調査データをもとに加重移動平均を使用して作成(調査期間:2015年4月~2025年11月、有効回答数:N=752)。
※看護師・臨床検査技師・薬剤師・管理栄養士、理学療法士・作業療法士、臨床工学技士、MRは2023年の賃金構造基本統計調査およびその他各種データを独自に加工して作成。
詳しくはこちら治験コーディネーター(CRC)の給与と年収
治験コーディネーター(CRC)の良い点・悪い点
CRCの良い点
- 看護師
-
- 夜勤がない
- 土日祝に休める
- 臨床検査技師
-
- 給与が上がる
- コミュニケーション力を活かせる
- 薬剤師
-
- 薬の開発に携われる
- 栄養士
-
- 給与が上がる
- 休みが増える
CRCの悪い点
- 看護師
-
- 給与が下がる
- 看護スキルが衰える
- 臨床検査技師
-
- 検査スキルが衰える
- コミュニケーション力を求められる
- 薬剤師
-
- 給与が下がる
- 調剤スキルが衰える
- 栄養士
-
- 栄養指導スキルが衰える
- 詳しくはこちら
治験コーディネーター(CRC)のキャリア
一般職から始めて、5~10年でチームをまとめるリーダーになることができます。その他に、事務業務全般を担当するSMA(治験事務局担当者)へ異動したり、製薬会社・CROへ転職して、CRA(臨床開発モニター)として働く方もいます。

CRCのキャリアマトリックス
※円の大きさは人数の多さを表す
- 仕事内容を詳しく知りたい方はこちら
- CRCのキャリアパスについて知りたい方はこちら
- CRAのキャリアについて知りたい方はこちら
治験コーディネーター(CRC)の将来性
2013年~2020年頃にかけて治験の契約症例数および治験コーディネーター(CRC)数は減少傾向にありましたが、2020年以降は再び増加傾向に転じています。
がん領域の経験がある治験コーディネーター(CRC)は、引き続き高く評価される傾向にあります。また、近年は再生医療領域の経験がある治験コーディネーター(CRC)の評価も高くなることが多いです。
SMOの契約症例数とプロトコール数の推移
※日本SMO協会データ2024より出典
SMOの売上高と従業員数
※SMOは日本SMO協会の会員のみ。
※日本SMO協会データ2024より出典
薬物の治験計画届出件数の推移
※PMDAより出典
- 詳しくはこちら
- みんなの回答はこちら
治験コーディネーター(CRC)のよくある質問
- Q
- 残業はどれくらいありますか?
- A
- 月平均10~20時間程度です。
- Q
- 土日や祝日はお休みですか?
- A
- 基本的にはお休みですが、月に1~2回程度の出勤が必要な場合があります。出勤した日数分の代休を取得できます。
- Q
- 仕事と家庭は両立できますか?
- A
- できます。実際に約半数の治験コーディネーター(CRC)は仕事と家庭を両立しながら働いています。
- Q
- 転職する時に年齢制限はありますか?
- A
- CRC未経験者は35歳前後、CRC経験者は50歳前後までが、採用されやすいと言われています。
- Q
- CRC未経験者の合格率はどれぐらいですか?
- A
- 10%前後です。
詳しくはこちら治験コーディネーター(CRC)のよくある質問
治験コーディネーター(CRC)のよくある質問とみんなの回答
- Q
- 治験コーディネーターになって大変なことや苦労したことを教えてください。
- A
-
人間関係的な面でいうと、医療機関の医師や受付含む病院スタッフとの関係を築くことが大変だったように思います。治験になれている施設だと、医師や病院スタッフも動き方がわかっているためスムーズにいきますが、慣れていない施設だとそうはいきません。
特に病院スタッフからしてみれば、受付は治験用レセプトの作成等で業務が増えるし、看護師や臨床検査技師にとっては通常診療では必要のない毎回の採血や採尿、血圧測定、心電図といったような煩わしい仕事が増えます。
確かに病院関係者から見てみれば、わけわからないうちに外部の人間が来て、煩雑な仕事が増えたように感じてしまいますよね。そこを、私たちCRCは日頃から良好な関係を築くようにコミュニケーションをとり、その試験の意義や、なぜこのような検査が必要になってくるのかをわかりやすく相手の立場に立って説明することが求められます。
また、狭いクリニック等ですと、私たちが患者についてまわってうろうろするだけで、邪魔!と思われて邪険に扱われることも少なくありません。そういうときに、ここに立っていたら邪魔だ、とか今近づいてほしくないのだな、というように非常に空気を読む力が必要だと思います。
こうした人間関係もまた施設が変われば一から築いていかなければなりません。ここが一番大変でした。あの病院ではこれでうまくいっていたのに…は通じないのです。臨機応変に医療機関、人によって対応を変えていかなければなりません。
また、事務的な面、そのほかでいいますと、数字に追われることが多く、精神的に苦労しました。CRCになる方は「新薬を待つ患者さんのために」という思いで入ってこられる方が多いと思いますが、治験の世界は想像以上に事務的です。「ひとりの患者さん」というよりも「一症例」にすぎない、といっても過言ではないかもしれません。ですから、契約症例「数」を集める、「売上目標」といったようなやりとりに心が痛むときもあります。
あとは、私は事務作業が好きだったため苦ではなかったのですが、PC等に慣れていないとそういった細かい作業にも苦労するかもしれません。
また、初めは薬学について、薬事法について、GCPについて、カルテの判読のしかたなど、覚えることもたくさんあるため、大変かもしれません。
- Q
- 治験コーディネーターになって辛いことはなんですか?
- A
-
医療従事者と比べて、治験コーディネーターは利益を重視しなくてはいけない仕事だと思います。そのため、患者さんの利益よりも病院・会社の利益を優先する必要が出てきます。
例えば、複数の治験の参加基準を満たした患者さんであれば、その患者さんの病態に合った治験薬よりも、契約費用が高い治験薬を優先することがあります。また、併用禁止薬の関係から、その患者さんに最適な治療薬を使うことができないこともあります。
既存の薬では有効な治療ができず、治験薬が最後の望み、といった患者さんのための治験はわずかです。むしろ現行の治療で安定している患者さんに、リスクを承知の上で治験参加を提案することの方が多いです。
会社からは期間内での契約症例数の満了を求められますので、患者さんの治療のための治験ではなく、契約達成・ノルマ達成が目的となっていきます。
このように多くのケースで、目の前の患者さまにとってはメリットばかりではないことが私は辛く感じます。特に看護師さんなど、元医療従事者の方は同じように感じやすいようです。
- Q
- なぜCRCよりもCRAのほうが給料が高いのでしょうか。
- A
-
CRAが所属するCROは外資系の会社が存在しますがSMOはありません。製薬業界に限らず、外資系の会社は利益が出ないとすぐクビになるので給料が高いのです。
その証拠に外資系を除いて給与を比較すれば、CRAもCRCもほとんど給料が同じはずですよ。一度、EPSとかCMICのCRCとCRAの給与を比較してみてください。
- Q
- 治験コーディネーターに向いている性格とは?
- A
-
皆さんの回答にあるように真面目で柔軟性があることはとても重要な性質だと思います。
治験はGCPの元、プロトコールに沿って試験を進めていかなければいけませんから真面目であることに加え、責任感も必要です。
それに、医療の現場から多くの意見⁉︎も出てきますが、GCPやプロトコールを守りながら実施するためには、様々なアイディアを出して、お互いの落としどころを模索していかなければいけません。そのためには臨床経験が多いに越したことはないですが、物事を俯瞰的に見る力、相手の立場になって物事を考える力も必要です。
何よりも、CRCは自分のスケジュールはあって無きがこどし。医師、医療機関のスタッフさん、被験者、依頼者などなど、多くの関係者の都合で、一瞬で予定が変わることが日常茶飯事。
ストレスフルな職業だと思います。
だからこそ、趣味など、ストレスを上手く発散できる人が長く続けていける人だと思います。
自分で言うのもなんですが、お人好しが多いと思います。
- Q
- 治験コーディネーターの将来性について
- A
-
治験業界でマーケティングをしているものです。治験コーディネーター(CRC)の将来は一言で言えば微妙といった感じでしょうか。将来性が乏しいのは治験コーディネーター(CRC)に限らず、日本全体に言えることですので、それほど悲観する必要はありませんが、治験コーディネーター(CRC)の将来がとても明るいということは決してないと思います。
治験コーディネーター(CRC)の今後10年はこんな感じではないでしょうか。
◆小規模のSMOだけでなく、中規模のSMOも苦境に陥る
今後も治験需要が大きく増える可能性は少ないため、小規模のSMOはいずれ資金繰りが苦しくなることは間違いなく、倒産したり吸収されたりするSMOが今以上に増えていきます。小規模のSMOが成長する可能性は極めて低く、いつまで延命できるかがテーマとなります。
今後は小規模のSMOだけでなく、中規模のSMOも苦境に陥るところが増えていきます。SMOだけでなく病院やクリニックも同様で、治験を行っても利益を出すことがますます難しくなっていくため、治験業務から撤退する病院やクリニックが増加することが予想されます。
◆治験コーディネーター(CRC)の二極化
治験は癌領域がピークを迎えており、治験業界では、その後を見据えた動きが始まっています。最も有望であると言われているのが再生医療領域で、次いで遺伝子領域や医療機器領域が続きます。
いずれも、今までと異なる専門的な領域の知識や経験が必要になるため、治験コーディネーター(CRC)にはさらなる専門知識が求められる状況が予想されます。そのため、主に生活習慣病などの治験を行っていたコーディネーターは、活躍できる範囲がますます狭くなることが予想されます。
また、がん領域で活躍していた治験コーディネーター(CRC)も新たなる領域にチャレンジすることが求められます。このように治験コーディネーター(CRC)は先端医療に関わる治験コーディネーター(CRC)と、従来の医療に関わる治験コーディネーター(CRC)に二極化していくことが予想されます。
そして、従来の医療に関わる治験コーディネーター(CRC)の需要は減少していくため、淘汰される治験コーディネーター(CRC)が相当数発生しそうです。
◆地方の治験の衰退
治験の主な領域が生活習慣病からがんへ移行することにより、地方の治験の衰退が発生しました。なぜなら、地方での容易に行うことが可能であった生活習慣病の治験と異なり、がんの治験は地方で行うことがなかなか難しかったからです。
今後の治験の領域はがん領域からさらに難しい先端領域へ移行することが予想されており、地方の治験の衰退はますます進むことが予想されます。地方だけでなく、福岡や札幌などの東京や大阪から遠い大都市の治験も衰退が進むと予想されます。
◆治験需要はなだらかに低減
日本では医療費の増加を抑えるためにジェネリック医薬品の使用が推進されています。その結果、製薬メーカーはますます新薬の開発を加速させています。しかしながらがん領域の開発が一段落した後には生活習慣病や精神系、がんなどと同様に多くの治験の需要が見込める領域はない可能性があります。
また、リモートモニタリングやRBMなどの治験を効率的に進める技術が進んでおり、治験を行うために必要な被験者数は確実に減っていくことが予想されています。そのため、先端医薬品の開発は多くのパイプラインと少ない症例数のプロトコルが主流となっていきます。
その結果、治験全体の需要が減ることになるため、プロトコル数は増えますが、必要な症例数が減少するため、治験の需要そのものが減少していくことになります。
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