
治験コーディネーター(CRC)経験者が転職する理由は、「働きやすさを重視したい」「年収をアップしたい」「プライベートの都合」などさまざまです。
この記事では、治験コーディネーター(CRC)の経験を持つ方が転職活動する際に注意すべき点を、SMOと病院(院内CRC)の2つに分けて詳しく解説します。
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治験コーディネーター(CRC)経験者が転職する理由は、「働きやすさを重視したい」「年収をアップしたい」「プライベートの都合」などさまざまです。
この記事では、治験コーディネーター(CRC)の経験を持つ方が転職活動する際に注意すべき点を、SMOと病院(院内CRC)の2つに分けて詳しく解説します。
院内CRCへ転職する方法は主に以下の3つになります。
治験が行われている病院で薬剤師や看護師として働いている方が、治験の部署へ異動する方法です。院内CRCの求人は外部から人材を募集する前に、院内で募集をかけることが多いです。
流れとしては現在の病院で新たな院内CRCを募集する予定があるという情報を耳にしたら、現在の上司に異動をお願いします。その後、現在の上司と治験の部署の責任者が話し合いを行い、まとまると簡単な面接の後に異動が行われます。
引き抜きは主に病院から声がかかり、その後に病院の面接を受けて合格した後に転職する方法です。引き抜きの方法は主に二つあり、治験が行われている病院の部長や人事担当者から声がかかる場合と、院内CRCの友人や知り合いから声がかかる場合があります。
SMOとして担当している病院の部長や人事担当者からこっそりと声がかかる場合です。最初は冗談交じりに「うちでずっと働かないか」と部長に声をかけられることが多いです。
何度か声をかけられているうちに、真剣に転職を考えるようになり、面接を受けて合格すると、SMOを退職した後に改めてその病院で就業することになります。
仕事上で知り合った院内CRCの友人と食事や遊びに行くことを重ねているうちに、「うちで働く気はない?」と声がかかる場合が多いようです。
最初は冗談かと思っている治験コーディネーター(CRC)も多いようですが、何度も声をかけられるうちに本気で検討し始める方が多いようです。
院内CRCの求人を自力で探す方法です。異動や引き抜きが期待できない方にとっては、唯一の方法になります。
SMOで働いている治験コーディネーター(CRC)は、一度は院内CRCへの転職を検討したことがある人が多いようです。
なぜなら、院内CRCへの転職は治験コーディネーター(CRC)の一般的なキャリアップの一つであり、勤務地の固定や地位の向上が期待できるからです。
ただし、院内CRCへの転職にはデメリットもあるため、院内CRCへ転職したけれども数ヶ月後には退職してSMOへ戻ることにならないよう、院内CRCの現実もきちんと理解しておきましょう。
SMOから院内CRCへ転職する主なメリットは以下になります。
院内CRCへの転職はメリットばかりでなくデメリットも多いです。主なデメリットは以下になります。
新薬開発にはトレンドがある
新薬開発にはトレンドがあります。かつては生活習慣病などのプライマリー領域が中心でしたが、次第にがんを対象とするオンコロジー領域へと移行し、現在では再生医療領域などに注目が集まっています。
たとえば、オンコロジー(がん)領域における治験計画届出件数は、2008年には105件だったものが2021年には362件へと大幅に増加しました。しかし、2023年には189件と、2021年の約半数にまで減少しています。
がんセンターのように、取り扱う治験の領域が限定されている医療機関では、こうした治験件数の変動に応じてCRC(治験コーディネーター)の人数も調整する必要があります。仮に治験件数に比例して業務量が変動するなら、2008年から2021年にはCRC数を3倍以上に増員しなければならず、逆に2021年から2023年には約半数まで減員する必要があると考えられます。
院内CRCであっても、病院の種類によって転職の難易度には大きな違いがあります。
大学病院や国公立病院の院内CRC(正職員)への転職は、難易度が高い傾向が見られます。選考回数が複数回に及んだり、選考期間が長期化したりすることがあり、適性検査や小論文の提出を求められることも珍しくありません。
一方で、医療法人の院内CRC(正職員)への転職は、大学病院や国公立病院の院内CRC(正職員)ほど難易度が高くない場合が多いです。選考回数は1回が一般的で、適性検査が行われることは少ないです。院内CRC(非正規職員)への転職は、選考の難易度がさらに低くなり、選考らしい選考が実施されない場合も見られます。
また、院内CRCの非正規職員の比率は6割前後と高く、新規の求人にいたっては8割前後が非正規職員となっています。
その結果、「正職員」かつ「自宅から近い」など、自分に適した求人の数は少なくなり、院内CRCへの転職活動は長期戦になることが多くなります。
院内CRCの非正規職員の比率
※在籍者は2022年のJCOGのレポートなど、新規求人は2024年のCRCばんくの調査データをもとに作成。
院内CRCの治験コーディネーター(CRC)の募集の人数は多くありません。そのため、応募が殺到することが多く、競争を勝ち抜いて内定を獲得するためには「他の応募者よりも優れている」ことが必須となっています。
選考は絶対評価ではなく、相対評価であるため、他の応募者を上回ることをアピールすることが大切です。また、募集条件がSMOと異なることも多くなるため、自分が応募できる求人であるかどうかを見極める必要もあります。
では、どのような応募者が院内CRCからの内定を獲得しているのでしょうか。下記に詳しく解説をしてきます。
院内CRCは薬剤師資格を所持している方が有利です。なぜなら、病院の研究的な位置づけで治験行っている場合が多いため、高い学歴や専門的な知識が求められるためです。
SMOでは薬剤師の治験コーディネーター(CRC)が減っていますが、病院では薬剤師出身の治験コーディネーター(CRC)もまだ多く、薬剤師のみの募集もしばしば見られます。
薬剤師は治験協力者だけでなく治験薬管理者にもなれるため最も有利
GCPでは治験を行う際に実施医療機関の長が薬剤師を治験薬管理者として指名し、治験薬を他の診療用の薬と混同しないように治験薬管理手順書に従って別に管理することを定めています。治験薬管理者は被験者一人ひとりの治験薬の使用状況を正確に記録し、治験薬の受領から返却・回収までを管理し、治験依頼者から要請があった場合にはモニタリングにも応じます。
薬剤師は治験協力者だけでなく治験薬管理者(IP ADMIN)にもなれるため最も有利と言えます。院内CRCの応募資格が薬剤師に限定されている場合、治験薬管理者の兼任を想定している場合が多いです。
薬剤師に次いで多いのが、看護師もしくは臨床検査技師資格です。また、管理栄養士や臨床工学技士、診療放射線技師などの資格でも応募可能な求人も稀に見られます。
治験コーディネーター(CRC)として働いた経験が1年前後以上あれば内定を獲得できる可能性があります。経験年数の長さによる内定獲得率の差はほとんどなく、オンコロジー領域やグローバルスタディの経験があっても、それほど選考に有利にはならないため、3年前後のCRC経験があれば十分であると言えます。
20代の治験コーディネーター(CRC)が最も有利です。なぜなら大学病院などは30歳以上の応募者は契約社員としてしか雇用できない場合も見られるからです。また35歳を超えると他の応募者との比較で負けてしまうことも多いため、〜35歳ぐらいまでが内定を獲得しやすいと言えます。
SMOと異なり院内CRCは勤務地が固定されます。そのため1時間を超える通勤時間がかかる場合は採用を避ける傾向があります。