院内CRCは安定しているでしょうか？

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院内CRCの現状

ご友人がおっしゃるように、近年、院内CRCの経営が以前に比べて厳しくなっているという声は確かにあります。これは、いくつかの要因が複合的に影響していると考えられます。

◆ 治験を取り巻く環境の変化: 治験は製薬会社からの依頼によって実施されますが、近年、グローバル化の進展や開発費の高騰などにより、治験の実施体制や費用配分に見直しが図られる傾向があります。そのため、一部の医療機関では治験の受託件数が減少したり、治験から得られる収入が減少したりするケースが見られます。
◆ 医療機関の経営状況: 近年の医療機関は、診療報酬改定や患者数の変動など、様々な要因により経営状況が厳しくなっているところがあります。そのため、治験部門への人員配置や予算配分が以前ほど手厚くなくなってきている可能性があります。
◆ CRCの雇用形態の変化: 以前は、院内CRCは病院の正職員として雇用されるケースが多かったですが、近年は契約職員や派遣職員として雇用されるケースが増えています。これは、病院側が人件費を抑制しようとする意向が働いていると考えられます。

安定している院内CRCも存在する

ただし、全ての院内CRCの経営が苦しいというわけではありません。以下のような医療機関では、比較的安定した環境で働くことができると考えられます。

◆ 大学病院や大規模病院: 大学病院や大規模病院は、多くの診療科を有し、様々な疾患の患者さんが集まるため、治験の受託件数も比較的多い傾向があります。また、研究体制や設備も整っているため、治験を実施するための基盤がしっかりしています。
◆ 治験に力を入れている医療機関: 医療機関によっては、特定の疾患領域の治験に特化したり、治験部門を強化したりすることで、積極的に治験に取り組んでいるところがあります。このような医療機関では、CRCの役割も重要視され、安定した雇用環境が期待できます。
◆ 国や自治体からの補助金を受けている医療機関: 国や自治体から治験に関する補助金を受けている医療機関では、比較的安定した財源を確保できているため、CRCの雇用も安定している可能性があります。

院内CRCとSMOのCRCの違い

CRCには、医療機関に所属する「院内CRC」と、SMO（治験施設支援機関）に所属する「SMOのCRC」があります。

◆ 院内CRC: 医療機関に所属し、その医療機関で行われる治験を担当します。
◆ SMOのCRC: SMOに所属し、複数の医療機関を巡回して治験を担当します。

一般的に、院内CRCは特定の医療機関に深く関わることができる一方、SMOのCRCは様々な医療機関や治験に携わることができるという特徴があります。

院内CRCを目指すにあたって

院内CRCを目指す場合は、以下の点を考慮すると良いでしょう。

◆ 医療機関の規模や特性: 大規模病院や治験に力を入れている医療機関を選ぶことで、比較的安定した環境で働くことができる可能性が高まります。
◆ 雇用形態: 正職員としての雇用を希望する場合は、求人情報をよく確認する必要があります。
◆ 将来性: 治験業界は常に変化しているので、将来性についても考慮しておくことが大切です。

まとめ

近年、院内CRCの経営が以前に比べて厳しくなっているという声はありますが、全ての院内CRCが不安定というわけではありません。医療機関の規模や特性、雇用形態などを考慮することで、安定した環境で働くことも可能です。院内CRCを目指す場合は、事前に情報収集を行い、慎重に検討することをお勧めします。